「民間病院をやっていく(経営していく)のは、いつの時代も大変だったのよ。」これは先代の理事長である私の母の言葉です。祖父(母の父)が経営が立ち行かなくなった今市病院を引き継いでから、戦前、戦中、戦後、高度成長期そしてバブル崩壊期と80年以上、祖父の姿を見て、また実際の自分で経営をしてみての偽らざる実感であったろうと思います。

「昔(戦前)は医療保険がなかったので、患者さんを診ても治療費が頂けなかったことも多かったのよ。医療保険が出来たとき、父は本当に助かった、これで治療費が頂けなくなることはなくなると喜んでいたわ。」これは今の当たり前が当たり前ではなかった時代の話です。そして「今は本当に幸せになった。」と言って、平成23年に母は亡くなりました。

明倫会今市病院は、平成29年6月を持ちまして創立90周年を迎えることができました。これも地域の方々の長きにわたるご支持とご支援のたまものと深く感謝申し上げる次第です。一口に90年と言っても、その年月のあいだに医学・医療技術は劇的に進歩し、医療制度の変革も想像をはるかに超えるものがありました。また社会全体の変化とともに地域の環境も大きく変わり、人々の価値観も医療に対する思いも変わっていきました。

しかし日光地域の医療を支えていくという使命については、21世紀になった現在でも明倫会が経営する今市病院、日光野口病院ともども一点の曇りもありません。今後もその目標に向かい、地域の皆様により良い医療・ケア、安心を提供できますよう職員一同、全力を挙げて努力していきたいと思います。

平成29年9月吉日
明倫会理事長 熊谷安夫




「こっちは私がやるから、あなたはそっちをやって、」「急いで酸素、吸引して、」「そうじゃないでしょう、もういいから私に代わって頂戴、あなたはモニターを付けて、」

絶叫に近い声が飛び交う中、分単位の緊張感がみなぎる救急医療の現場、結果など考える余裕すらないほどの無我夢中さ、必死さの中で活気に満ちた躍動感に溢れた病院であることを常に願ってきました。

容易に結果のでない苛立ち、失望と落胆、しかし、それを遥かに上回る感動と喜び、地域医療を守るという使命感だけに支えられて今日迄、日々の診療を過ごしてきました。 救急医療において最も大切なことは専門性ではなく、要請があればとにかく患者を受け入れるという姿勢です。何故なら救急医療とは挑戦する事であり、挑戦とは結果を考えずに創意と勇気を持って挑むことと肝に銘じてきました。

その際重要なことは医学的知識を基礎に病態を科学的に分析し、手の内に入る範囲、危険度を論理的に見極める能力です。行うべき処置を自分の技量と状況に照らし合わせて選択する、脱臼はたとえ整復手技は未経験であったとしても、全身麻酔をかければ未熟者でも整復可能となります。

自分達の仕事に誇りを持てなければ、決して心の底からの笑顔は生まれない、その天真爛漫な笑顔を今日もまた見たくて、どんな辛苦があっても耐えて続けてくることができました。

父が掲げた「明倫医道を究(きわ)むる」という明倫会の理念を心に刻んで、病院一丸となって明日も救急医療に取り組んで行く所存です。

平成29年9月7日
明倫会今市病院院長 熊谷眞知夫

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