当院は、オリンパス社製と富士フイルム社製の内視鏡システムを使用しております。
@小さな病変を早期に発見、治療することの重要性が高まるなか、粘膜表面の色、構造をより自然に、より精細に観察するための内視鏡観察技術 NBI(Narrow Band Imaging)・BLI(Blue LASER Imaging)・LCI(Linked Color Imaging)と拡大観察の併用をしています。
A先端径5.8mmの極細径内視鏡での、鼻から内視鏡も選択できます。通常の経口内視鏡に比較し、内視鏡が舌根部に当たらず、嘔吐反射を最小限に抑える事ができます。
BCO2送気装置を使用しています。特に大腸内視鏡検査の際の送気に伴う腹部膨満感、痛みを軽減します。CO2は腸管からの吸収が空気の35倍速いため、通常より早期に腹部の張りが低減します。
●食道:逆流性食道炎、食道静脈瘤、食道癌
●胃・十二指腸:胃・十二指腸潰瘍、急性胃炎、萎縮性胃炎、ヘリコバクターピロリ感染症、機能性ディスペプシア(FD)、異物誤飲、胃ポリープ、胃癌
●肝臓:ウイルス性肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、肝臓癌
●胆道(胆嚢・胆管):胆嚢炎、胆石症、総胆管結石、胆管炎、胆嚢癌、胆管癌
●膵臓:急性膵炎、慢性膵炎、膵嚢胞、膵癌
●大腸:急性腸炎、虚血性腸炎、憩室炎、憩室出血、過敏性症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸ポリープ、大腸癌
食道・胃疾患の主な内視鏡的治療法
@胃・十二指腸潰瘍などからの上部消化管出血に対して、内視鏡的止血術を行っています。
A胃ポリープ・早期胃癌に対して、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。
B食道静脈瘤に対して、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)を行っています。
※EMR(Endoscopic mucosal resection)とは
ポリープの下に生理食塩水などを注入して、隆起させてからループ状のワイヤで高周波電流を流して切除する方法です。主に中程度までの大きさのポリープ病変の治療に用いられています。
※ESD(Endoscopic Submucosal Dissection)とは
高周波メスで病変周囲を切開し、病変下の粘膜下層を剥離していく方法です。EMRに比べて、腫瘍径が大きな病変でも一括で切除することが可能です。腫瘍を一括切除することにより根治性を高め、 正確な病理組織学的診断が可能となります。
※内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL:Endoscopic variceal ligation)
内視鏡にて食道静脈瘤を出血時あるいは予防的に治療します。 静脈瘤自体を小さな輪ゴムで止めることにより、静脈瘤の血流を遮断する方法です。
肝疾患の主な治療法
@ウイルス性慢性肝炎・肝硬変(B型肝炎・C型肝炎)に対する、診断・治療を行っています。
C型慢性肝炎・肝硬変に対しては、最新のインターフェロンフリー治療を行っております。
A肝細胞癌に対する、肝動脈化学塞栓術(TACE)を行っています。
B肝膿瘍や感染性嚢胞に対する、エコーガイド下のドレナージを行っています。
胆嚢・膵臓疾患の主な検査と治療法
@ERCPにて、診断・治療を行っています。
A総胆管結石に対して、ERCP下の結石除去を行っています。
B胆道癌や膵癌による悪性胆道狭窄に対して、ステントを挿入して胆汁の流れを改善する治療を行っています。
C慢性膵炎による膵管狭窄に対して、膵管ステントによる治療を行っています。
D胆嚢炎に対して、経皮的ドレナージ術を行っています。
※ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)とは
内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査です。口から十二指腸まで内視鏡を入れて、内視鏡先端から胆管・膵管の中にカテーテルを挿入します。カテーテルから造影剤を入れて、胆管や膵管の異常を調べます。同時に胆汁や膵液を採取したり、病変部から組織や細胞を取って検査を行うこともあります。
大腸疾患の主な治療法
@大腸の出血性病変に対して、内視鏡的止血術を行っています。
A大腸ポリープに対して、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行っています。
B大腸癌による大腸狭窄に対して、内視鏡的にイレウス管やステント挿入を行っています。
C潰瘍性大腸炎やクローン病に対して、顆粒球吸着療法(GCAP)を行っています。
※顆粒球吸着療法(GCAP)とは
血液の一部を体外へ連続的に取り出し、白血球の中の顆粒球を選択的に除去し、炎症を鎮める方法です。